今日のにおい

季節が全く感じられない。

最近、僕は外での時間を大切にしている。
毎日外に出ているといっても、所詮建物と建物の往復に過ぎない。建物がメインで、屋外は通過点の様なもの。まぁ完全にインドア派というわけだ。
しかし、最近この生活に疑問符が生じた。これでいいものかと。そこで、外になるべくいようと思った。
何だかんだで、室内は空気がよどんでいる。それに比べて外だと空気はクリーンで新鮮である。一気に新鮮な酸素が入ってくる。実に心地よい。

けれども、微妙な違和感が生じた。外にいるのに季節が感じられないのである。

勿論、気温から季節をダイレクトに感じる事ができる。けれども、それはただ温度の変化であって果たして四季とは呼べるのだろうか?
気温の変化を感じたいのなら、例えば北極にいけばいくらでも冬を一年中味わうことができる。それに飽きたら、メキシコにでも行って秋を感じればいいだろう。

僕にとっての四季は単たる温度の変化を超えている。もっと情緒的なものである。それが食べ物だったり、イベントだったり、においだったり、気分だったりする。どれもこれも重要だが、その中で注目したいのがにおいである。

「あなたは、においによって呼び覚まされる記憶はありますか?」
「私は山のようにあります。」

けれども、このコンクリートジャングルではにおいが感じられない。落ち葉のにおいを感じようと芝生の上に寝転がったが、普段と何も変わらない平坦な匂いがそこにはあった。

つまりは平坦。僕の中でも四季は気温の変化になりつつある。