ダンサー・イン・ザ・ダーク

ラース・フォン・トリアー監督作品。
度肝抜かれた。

音楽は人を救った。そんな映画だと僕は解釈した。

主人公は目が見えなくなってしまった。工場での作業中は「day dream」する。
「day dream」。なんて美しい響きだろう。ガチャンガチャン言う音もリズムとなり、おとぎ話の世界へ連れて行く。「空想」って言葉もキレイだが、「day dream」もなかなかやるなEnglish。

最後は音楽が彼女を解放した。縛りつけていたものを、全てとっぱらった。
音楽は波という無機質なものではなく、もっと情緒的なものだと思った。

何が僕の琴線に触れたのだろう。目が見えなくなるところか。金か。裏切りか。正直わからない。
この映画を「暗い」の一言で終わらせる人がいるが、そんな印象は受けなかった。
分厚い影が全体を覆っているが、その対比で物凄く美しいところもある。

手ぶれありの、ザクザクした感じで大変好みだった。けど、そんなテクよりも訴えかけてくるものがあった。
今まで、映画や映像を見て涙したことはなかった。その記録も今日限りで敗れた。決して精神がまいっているわけではない。僕も遂に人の憂いがわかる人間になったのか。

余談なのだが、「優しい」ということは「人の憂いがわかること」らしい。(確かおーい竜馬より)

そんなことはさておき、紛れもなく名作。映画も人を救う。