ミミ

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ギャスパー・ノエ撮影・美術監督&製作作品。
監督ではない。
で、50分程度の短編。

簡単に内容を説明すると、ミミという少女が母親の自殺未遂による入院によって、おばさんに預けられる。おばさんの愛人に性的悪戯をされるなど、ひどい仕打ちを受け、彼女も母親の姿を真似て自殺を図る。

ギャスパーノエの作品に出てくる少女は、全員無口。まともな会話を見たことがない。言いたい事があるのに伝えられないとかそういうのではなくて、基本的には喋らない。けれどもその姿が妙にアンニュイな雰囲気を醸し出し、独特の空気を生み出す。

出てくるのは所謂難しい年頃の少女。使い古された表現を使うと、大人と子供境目。
そんな少女を大人からは性的対象として扱われ、少女自身はお人形遊びをするなど子供のあどけなさを見せる。そのギャップ。
そう考えると、設定が変態的な映画である。

この映画で心を打たれるのは、黄色が美しいということ。少女は黄色の服をまとう。カーテンも黄色。とってもお洒落。流石おフランスと言ったところか。
僕のような素人が言ったところで説得力はないが、この黄色だけを眺めていても、十分価値のある映画である。

「カノン」や「カルネ」のようなグロさはないけれども、とても生々しい作品だ。でも、家族とみると確実に会話がなくなる。