限りなく透明に近いブルー

限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

芥川賞受賞作。
旅行中に読んだ「海の向こうで戦争が始まる」がいい感じだったので、続いて読んでみることにする。


あらすじ。
戦後の日本、米軍基地周辺が舞台。日夜繰り広げられる、アメリカ軍人を絡めたドラッグ&乱交パーティー。その末に主人公が見たものとは。

限りなく透明に近いブルー
タイトルを聞く限りでは、淡い小説だろうなと思う。しかし、これほどまでにイカれた小説を今までに読んだことがない。読んだことのある絶対量が少ないということもあるのだが、それを抜きにしても衝撃的である。何故なら、全編に渡って登場人物の誰かしらが薬でラリッているからである。更に乱交の描写もかなり生々しくグロテスク。


まず最初、主人公の腕にヘロインを注射するシーン。注射をトラウマとする僕にとっては、目をそらしたくなるような表現が続く。血管を浮き上がらせる為に腕に巻きつけるところだけで、もう沢山だ。そのシーンがやっと終わったと思ったのともつかの間、ありとあらゆる場面で登場人物の腕に針が刺さっていく。
主人公が所謂「キマッている」時の描写もかなりリアル。村上龍本人がヘロイン経験者であることが容易に想像できる。。
人づてに聞いた話なのだが、麻薬を密輸している人ですら「ヘロインだけはやるな」というヤバイドラッグらしい。おーコワ。


乱交シーンも映画「アレックス」なんて目ではないほどヤバイ。しかもやたら長い。読んでも読んでも終わらん。しかし、動物的に描かれている為、あまりセクシャルな感はない。きっと電車の中で読んでいたら、隣の視線が気になるんだろうな。。


本って規制が緩くていいなと思う。
映像や漫画だと、作者が意図するしないに関係なく、すぐR指定されるイメージがある。ところが本だとそんなことはない。
どう考えてもこの小説は有害図書。けれどもそこには規制という処置が施されていない。それだけ作者が自由に表現できる場が小説だということだ。
万歳と叫びたいね。


村上龍のこの汚らしいガツガツとした文章は結構好きだ。
「トレスポ」が好きな人には、この本が向いているかもしれない。

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遂に免許合宿に持って行った本が尽きた。。