偶然

ポーランド人、クシシュトフ・キェシロフスキ監督作品。
「何を観ても感動しない」症候群を抜け出し、やたら映画の引きが強くなった感がある。1月に入ってから最高の傑作がこちら。以前オールナイトで観たものの、体力が続かなく瞼を落とした苦く淡い思い出もあり。


人生の分岐点のその先を描いた作品。「列車に乗れていれば」「列車に乗れず、警官と乱闘になったら」「列車に乗れていなかったら」という3本のストーリーから成る。印象に残る音楽と共に。


日々選択しながら人生を歩んでいる。所謂進路的な大きな決断は目に見えて人生を狂わせるが(良い意味でも。)、「今日一日中映画を観ていた」という選択に於いても実は人生の歯車を動かす重要な選択であるという匂いがこの映画から漂ってきて、そんな些細なことが感動的に思えてしまう。今日観た「STOP MAKING SENCE」でtalking headsはかっちょいいななんて確認して、どっかでそんな無駄話をすると案外話しが発展し、そんなあの娘と気が付いたら結婚してて、退職と共に「方向性の違いにより解散」なんてしているかもしれない。そう考えると、人生は何てドラマチックなんだろう!また、著しくカオス理論的だ。カオス理論的=ドラマチック。


最後の終わり方がパンク。人生つまんねぇとか思えなくなる作品。キェシロフスキの中ではベストです。