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平成十二年の今日、僕は紛れもなく白球を追っていた。

徒然なるままに友達のウェブサイトを巡っていた。久し振りに高校のときの友達のページを訪れた。
僕は高校時代、軟式野球部に所属していた。友達とは僕達が最上級学年だったときの野球部の主将である。
10年ぶりに台風が吹き荒れ、懐かしさが込み上げ、軟式野球部のHPを探さずにはいられなかった。

そして、発見したHPには我が軟式野球部は関東大会出場を決めたと書いてある。その頃の自分の気持ちが蘇る。
勿論監督以外に知っている人はいない。もう、他人のチームといっても過言ではないのに、僕の胸に嬉しさが込み上げた。

一体僕にとって高校時代ってなんだったんだろう?結局何にもならなかったのに、どうして毎日毎日白球を追い続けたのだろう?答えの出ない問いを思い出したかのように繰り返す。

大学生ももう3年になったが、高校時代のようにひとつの事を、一生懸命取り組んだことは何もない。散漫な興味にまかせて、何事に関しても中途半端である。一つのことに突き進んでいない。良く言えば視野を広げたということになるのだが、所詮言い訳に過ぎないのかもしれない。

関東大会出場おめでとう。ベンチに座って声をだしている君にエールをおくる。