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今さらながら、昨日台風が来たらしい。

「雨は嫌いですか?」
こんな問いをすると、インドア・アウトドア派の区別もなく大抵の人は
「YES,Mr.NAKAYAMA.」
と言ってくることだろう。しかし、基本的にひねくれものの僕はそこで声を大にしていいたい。
「ワタクシ、雨はそんなに嫌いじゃないよ。」

勿論、雨は嫌いである。どこへ行くにも自転車を使わなければならない不便なところに住んでいるため、目的地に行くまででビショビショに濡れてしまう。もちろん外に出るのはこの上なく億劫で、その日の僕の心までもドンヨリ曇ってしまう。

しかし実は引き篭もり気質のある、おうち大好きっ子の僕にとってはそれを逆手にとって楽しむ事ができるのだ!

仮に晴れていたとしよう。晴れていたら、
「外に出ろ!」
という番長キャラのようなセリフが僕の頭の中を行ったり来たりする。いつの間にやら、家の中で一日中過ごすことはタブー視されていた。悲しい事に。
しかし雨が降っていたら無理に外に出なくていいことが社会的に認められ、悠々と家の中でのLIFEをエンジョイすることができる。何も後ろめたいことを感じずに。

海外旅行に行ったときの事。
スコールという1時間程度で止む大雨が一日に一回は降る。足止めを食らって勿論その雨が嫌いだったときもあったが、実は結構好きだった。
雨が降った後は砂埃もたたないし、一気に涼しくなる。しかし僕にとっての最大の利点は、カフェやら屋台やらに入って、何もしなくていい時間を社会的に認められる形で作れることにあった。
貧乏性なため、常に動かなければという脅迫観念がある。時間が勿体無いぞ。そのため、日中に堂々と休憩することはここでもタブーとなっている。晴れていたら食事の時間以外は基本的に休まない。暑い中歩き回るので、疲れ果てる。そんな折に潤いを与えてくれるのがスコールという存在なのである。

雨も実は凶悪犯ではないよ。