最後の日

今日僕は、年を一つ重ねた。

2003年4月20日、友人Nケンの紹介でイトーヨーカドーの婦人服売り場でバイトを始めた。
これまでのバイトはせいぜい続いて半年。何かしらの条件や人が好きになれなくてやめてしまっていた。
言い訳がましいけれども、色々な世界を見てみたかったと言うのもある。
このバイトもその一つであると思っていた。

しかし、違った。
働いている人が皆優しい。
しかも給料もいいし、ご飯も食べれる。
仕事もそんなにきつくないし、男の身分で堂々と立ち入る事のできない聖域に、社会的許諾のもと存在することができる。
おば様方という、自分から遠い人と話すことができる。
家からも近いし、学校からも近い。
休みの融通が変態的にきく。(勝手に休んでいる説あり)
夜からなのにまとまった時間入ることが出来る。

そんな居心地のよさ故、ぬるま湯にぬくぬくと本日まで浸かっていたという寸法だ。
その環境をぶった切った。

正直胸にくるものがあった。
家庭教師の最後に似たような感情だ。
一つ何かが抜け落ちた。
もうこれから、外でバイトをすることはないだろう。

今日、また一つ学生時代が終わりを告げた。