アナログ→デジタル

はっとした会話から。
こんなことにはっとするなんて、つくづく今の研究会に向いていると思った。

音楽に関することでのグルワ。話は飛び飛びでDJについて。

DJはアナログ盤を使う。世の中にはCDJという便利なCDを回す機械もあるのに、DJ達はあえてレコードを使用するのだという。
CDJを使った方がネットから曲を落とすこともできるし、小さくて持ち運びも便利である。しかし彼らはそんな合理性を無視してレコードを回す。
そうする理由は彼らがオリジナルの音源を所有して、そのオリジナルをまわす事に意義があるからだという。

僕はDJの楽しみといえば、てっきり音楽をかけて周りを踊らせることだと思っていた。
時代遅れな例えをすると、ラジカセを担いでがんがん音を流しながら歩いている人と同じように、自分のビートを共有して楽しませることに快感を抱いているのだと思っていた。
しかし楽しみはそれだけではなかったのである。

レコードからレコードへ複製することはできない。それゆえ、アナログは基本的にはオリジナルしか存在しない。
そのオリジナルを所有し、まわす。自分はこんな音楽が好きだから、こんなレアな音も所有していますよみたいな感じで。音楽をかけることによって、自分のコレクションの一部を公開する。集めて公開するという一連の行為に楽しみを見出すのである。
CDは先に述べたとおり、複製は物凄く簡単である。あまりにコピーされるため、わざわざ邪悪なCCCDなんて代物も開発されたくらいに。

「レコード=本物、CD=偽物である可能性」
自己ブランディングという言葉があるが、DJをするという行為はそれに近いものを感じた。

デジタル社会になって、オリジナルを所有する楽しみが減ったと思う。
レコードはこうした楽しみがあるので、どんなに音楽ライフが便利に進化したとしてもなくなることはないだろう。
なんてね。