汚れた血

ボーイミーツガールに引き続き、レオス・カラックス監督作品。
予告編によると「ヌーヴェル・ヌーヴェル・バーグ」らしい。
主人公もおなじみアレックス。
「君は信じるかい?永遠に疾走する愛を。」

この映画を見て、 「ライ麦畑」と同じにおい、同じ空気を感じた。
少年のどうしようもない孤独。だれかここから出してくれという叫び。心の美しさゆえ、社会になじむことができない現実。
「大人は判ってくれない」とダブる。

深読みせずにざっくり見たら、なんて事ないSF恋愛映画に映ることだろう。実際僕も、一回見ただけではよさがわからなかった。けど、何かありそうだと思ってもう一度見た。泣きそうになった。最後の20分間で一気にくる。この部分だけ見るだけでも価値がある。

「生活を立て直したい」
「もし君とすれ違ったら、世界全体とすれ違うことになる。」
一言一言がいちいち重過ぎる。この悲痛な叫びは一体なんだ。

正直完璧すぎるほど美しい映画。一枚一枚の絵や、編集など変態的に上手い。内容の好き嫌いは別として、これだけでも見る価値がある。
映画好きっぽく「私のベスト3」の一本に加えておく。
映画に興味を持ったことは、幸せだ。