カノン

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ギャスパー・ノエ監督。
カノンとはギリシャ語で規範という意味らしい。
ヨウヘイ氏の映画を観はじめるきっかけとなった記念すべき作品。

「カルネ」という映画の続編とは知らずに、先に借りてしまった。後悔先に立たず。そんなものを振り払って勇気を出して観たとも。

尺が90分なのだが、こんなに体感時間が短い90分は久し振りに体験した。
一瞬一瞬も目が離せず、本当にあっという間。

ストーリーをわかりやすく言うと、一人の男が勝手に妄想して、暴走して、自己完結的に終わっていく映画。三流週刊誌のようなエログロナンセンス
しかし、彼のいう妄想が監督自身の考えのような、妙な力強さがあり、尚且つ地に足がついていないわけではないから恐ろしい。監督自身が普段考えていることを、画面にぶつけているんじゃねぇかと思ってしまう。
とりあえず、極めて反社会的でハイパー変態映画。家族と見ると、まともに会話できません。
けど、ハッピーエンドっていう。何故かぐっと来た。

ゴダールみたいに、テロップだけのカットを多用する。それがパクリなのかわからないが、いやらしいどころか、むしろオリジナリティを感じた。観客に謎に親切だし、恐らくあそこで映画館を後にした人はいないと思う。素晴らしい。彼は人の心理を知っているね。僕は若干臆病なため、ドキドキしてしまった。

品の無さもアバンギャルドって言葉許してくれ。変な満足感が得られた。


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これが4年生最初のエントリーです。どんな1年になるのでしょうか。
今年もよろしくお願い申し上げます。