ブエノスアイレス

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ウォン・カーウェイ監督作品。
気になっていたものの、今まで彼の作品を見たことがなかった。そんな折、偶然メディアで発見したのでみることにした。

ゲイのカップルを追ったストーリー。それだけでドギツイものを感じるが、男女の恋愛もののように違和感なく入っていけた。そこに疑問を抱く隙を与えてくれなかった。変にかしこまったり、力んだりした感じがしなくて良い。
多分ハリウッドが作ったら、「同性愛を理解しましょうね」なんて感じのお行儀の良い作品になっていたのだろうなと思う。偽善的な。しかし、「異性愛を理解しましょう」という作品がないのと同じ様に、同性愛を最初から認めきっているスタイルだった。

絵がヤバイ。色が暴走する。白黒の場面もあるが、目が覚めるようなカットがいくつもある。激しく、そして美しい。淡いのより、こうガツガツした感じの方が好みだなって最近思う。。

香港出身の二人がやり直す場所として決めたのが反対側にあるブエノスアイレス。そのアホともいえない設定が良い。
雑居ビルの薄汚い部屋とか見るだけでワクワクしてしまう自分がいる。雑踏。実に甘美な響きだ。この映画の影響で、アルゼンチンの地球の歩き方を借りてしまったほどだ。

同性愛映画っていい映画が多い。ツァイ・ミンリャンの「河」とか、アルモドバルの「バッドエデュケーション」とか。で、ブエノスアイレスはそれらの更に上を行く名画だと思う。ピンときたかたは是非。