中国7@上海
帰国前夜。
旅行先で知り合った、上海に住む人の家からキーボードを叩く。
まだ消化しきれず、わけのわからぬまま海外を後にする。中国約一月、日本に帰りたいという気持ちが先行していた。だが、今は後ろ髪を引かれる思い。
8月に日本を出てからのことを思い出す。何が何だかわからず、雲のように掴めない。掴みどころがない。
そんなこんなが帰国前夜。
日本の土を踏みしめた瞬間の感情が、容易に予想できる。
イスタンブール。
確かにそこは出発点として実感した。
上海。
ここは終着点という感覚は無い。
アジア横断の最後の場所ではなく、通りすがる一つの街。
かといって何処が終着点かもわからない。大阪か?東京か?
頭は現実感をもって冴えない。
ずっとここに居座ったとしても罪ではない気がする。
達成感とかそんなものはそこにはなく、ただ微妙な感情だけが滞在する。
ただ、今が過去になることは悲しい。
帰国前夜。
旅行先で知り合った、上海に住む人の家からキーボードを叩く。