お花見@井の頭公園

井の頭公園でお花見しない?」
と言った手前、場所取りをしないわけはいかず、朝七時に井の頭公園に着いた。


天気予報で「お花見するなら今日!」みたいなことを言っていただけあって、こんな朝っぱらなのに、ビニールシートで土が見えない。遅かったかと多少絶望するも、運良く桜の手前をゲットする。春のくせして、朝は寒い。


そう言えば去年、僕は就職活動をしていた。案の定、落ちまくり、日々テンションが下がりまくっていたことを覚えている。そんな折、ビールを片手に持って、フラッと井の頭公園を立ち寄った。夜桜が綺麗だった。


八時、いつも通り健二が遅れて登場し、早くも二人で飲み始める。
新宿でバイトしていた頃、六十歳位の男性と三人で飲む機会があった。その時彼は、「酒とは一日という文章のピリオドである」と熱弁していた。
いきなりピリオドから始まる朝は、果てしなく贅沢で、気持ちがいい。


彼は用事の為、十一時に出て行った。また一人になった。boards of canadaと酒と桜。これもまた、なかなか涎の垂れそうな、素敵な時間だ。


十四時を過ぎると、今日一緒に飲む面々がチラホラと現れはじめる。
もう既にその時間には、僕の周りでは居酒屋と化していた。誰もいない桜の木の下で飲むというのもまた一興だが、混んでいる桜の方が盛り上がれるんだろうな。
洋平がよく言うように周りの客が重要だと。音楽だけでなく、宴会場でも同様のことが言える。


散々飲み、僕の電話は何故かぶっこわれた。代替機のペンクという丸っこいやつは、ボタンが押しづらかった。