パレード
- 作者: 吉田修一
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2004/04/01
- メディア: 文庫
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会社同期のお薦めとのことで、借りてよんでみることにする。
とても東京的な、都会的な匂いのする作品だと思った。
隣人の占い師も他人で実態がつかめなければ、同居している5人も実態のつかめぬ見知らぬ人々。わかっているふりして、結局付かず離れずの距離を保つ。その姿は東京の風景と酷似している。
この作品は5章に分かれていて、それぞれの章によって一人称が変わる。その構造がとても面白かった。
一人称が変わってくれたお陰で、誰がどのようなことを考えているのかということを、等身大で掴むことができる。私生活を覗き見する楽しさがあった。
現実の世界も、こんな小説の世界のように、人のことが容易にわかればいいのにと思った。