ふたりのベロニカ

ポーランドクシシュトフ・キェシロフスキ監督作品。
我が街吉祥寺で特集上映をしていたので、迷わず観にいく。



キェシロフスキを観よう観ようと思っていたのだが、レンタルビデオ屋(1週間190円均一)にはVHSしか置いておらず、出鼻を常にくじかれていた。虎視眈々とヤフオクを狙った時期もあった。因縁のキェシロフスキの以下レビュー。


あらすじ。
一言で表すと、ドッペルゲンガーの話。ドッペルゲンガーに会うと死ぬらしい。それプラス恋と言ったところか。


まず映像美に感動した。黄色と黒で統一された色使い。凸レンズでひっくり返った世界。画面を観ていて飽きることはなかった。オープニングの長細い、ボケボケの絵も素晴らしい。プレステでDVDを観た時のような絵のくせ、美しさを感じた。


オーケストラの演奏のもと、歌を歌うシーンが素晴らしかった。伸びやかで美しい歌声と、現代的な演奏。共産圏は前衛的だななんて思った。
共産圏は前衛的。きっと資本主義とは違い、アーティストが思い思いに表現できたのが共産主義なんではないだろうか。芸術のプロパガンダ的使用も多かったことだろうが、きっと採算を度外視して表現できたのが共産主義なんじゃないかななんて思う。


グルジアで、元貴族の経営する民宿に泊まった。グランドピアノがあり、ハウルの動く城に出てきそうなおばあちゃんがピアノをひく。そのタッチが今までには聴いたことのない、凄く現代的な音を織りなし、感動してしまった。
前衛的なものは商業的要素が得てして薄そうなので、資本主義からは好まれない。そう思うと、共産主義が存在した価値は大きいと思う。
裏のとれていない、推測の話に過ぎないが。


微妙に酔払っていたせいもあって、ストーリー的要素での感動はなかった。


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今年のサマソニ、インフレ起こしてますね。激しい。