HEADZ 10th Anniversary

渋谷のo-nestという、案外小さな箱でのイベント。
オルークが出演するのに。


今回来ていた観客は非常に健康的な匂いがした。根暗しか共振しないと思っていたが、案外そうでもないらしい。柳町光男オールナイトやアヴァンギャルド映像を観た時、他の観客の世間ずれっぷりから感じた「ひょっとしたら僕も人生間違ってしまった感」を今回は味わうことなかった。
以下感想。



PORTRAL


headzのHPで佐々木氏は「今ここ、における、僕らの『Selected Ambient Works, Vol. 2』だ!」と述べているが、タワレコのPOPと同様にこのコメントは大袈裟だと思った。アンビエントは何となく聞き流すイメージがあるが、僕にとってこのイベントでのトップバッターということもあり、聞き入ってしまった。良い音だが、「Selected Ambient Works, Vol. 2」より劣る。


VJがおり、こちらが大変よろしかった。アンビエント的なアブストラクトな映像で、音楽とマッチしていた。視覚と聴覚はどちらが優先されるか?今回彼の映像を観て、視覚の方が強いと感じた。「映像が音楽にのっかる」のではなく、「音楽が映像にのっかる」と思った。



竹村ノブカズ(多分…)


椅子を引きずる音や、何かを潰す音をマイクで拾っていた。しかしその音や、ピアノの音色は音の羅列にしか聴こえず、個人的にはイマイチだった。
後半、ステージに映像が導入される。すると音が映像と絡んでまとまり出し、楽しむ事ができた。



d.v.d


素晴らしいの一言。絶対に一度は見ておくべきアーチストだと感じた。ドラム2人+VJ。ドラムを叩くと映像のオブジェクトが反応する。つまりドラムが音と映像を操る装置として機能しているのである。


rez」というゲームを思い出した。あ、「rez」に限らず、ファミコンっぽいかも。シューティングゲームとか、Aボタンを押すと効果音と共に弾が発射されるし。そのときプレイヤーは音と映像を同時に操っていることになる。その応用がd.v.dというわけである。



ジム・オルーク


ジムオルークは髪の毛だった。人の頭が森のように乱立しており、頭髪以外何も見えない。アコギ一本で、insignificance中心。日本に住んでいる情報は正しいらしく、日本語を話していた。アコギは中野で購入したという。
非常に穏やかな演奏で、深夜に室内で聞くにふさわしくないように思われた。大物に似つかわしくなく、観客との距離も近く、お茶目な一面が見え隠れしていた。