Strawberry shortcakes

Strawberry shortcakes (フィールコミックスGOLD)

Strawberry shortcakes (フィールコミックスGOLD)

最近感動を司る神経が麻痺しているような気がする。まずいことに。

映画を見てもピンとことないことがやたら多い。ここ三ヶ月観たもので唯一痺れたのが、以前観たのをすっかり忘却していて再度借りた「アカルイミライ」っていうね。小説も読んで感動しない。まずい。


然しコンテンツ好きの中山としては、日々食事をするかのように摂取し続ける必要がある。上記漫画を弟の部屋からこっそり連れ出した。久々にガツッと感動してしまった。


話的には何にも起こらない、ごく普通の日常を描いたもの。独特のスカスカなのに、重厚感溢れるタッチで描写される。
そんな漫画に感動した点は、生なまし過ぎる程の心理描写。普段誰もがそう思っているはずなのに、あまりに当たり前過ぎて、自動的に何も考えなくて良くなっている部分が露出している。手法の上手下手という話ではなく、その点が感動した。代弁してくれた。


素晴らしいと思うのは、言葉がやたら少ない点。「言葉なんて世界からなくなってしまえばいいのに」と思うことがあるほどの静寂好きとしては、拍手を送りたい。言葉を補うだけの空気感を生み出せる表現力は、宝として保存対象に値する。


暗い性格というのは誇れぬものだが、想うことが多いのは特権かなと感じ、強ち悪いことではない。