東京大学「ノイズ文化論」講義(宮沢章夫著)

東京大学「ノイズ文化論」講義

東京大学「ノイズ文化論」講義

「80年代地下文化論」講義に引き続く2冊目の本。
「ノイズ」という甘美な響きに誘われて本屋で手に取ったのが、このシリーズへの誘いだったりした。

ぶっちゃけて言うと、「地下文化論」の方が良い。話の内容がより一人称に近く、説得力をより強く感じる。
因みに今回の内容は、過去というよりも現在を語る内容となっている。


ノイズを排除する現代社会において、僕にとってのノイズとは何たるものか。
「居心地の良さ」の一言に尽きる。


未来都市を彷彿させる人工的な匂いのプンプンする「幕張」の気持ち悪さとは、徹底したノイズの排除の賜物だと感じた。ハリボテのような巨大ショッピングモールの気持ち悪さも、ノイズ排除によるもの。
相対する東京のインドと呼ばれるノイズの塊の様な街、高円寺の居心地の良さは何なんだろうか。僕のアパートから2分も歩けば、この本にも書かれているレフトな店「素人の乱」が軒を連ねる。選挙時、外山恒一も頻繁に出入りをした場所だと言う。僕の好きな迷路のように入り乱れた道や、個人商店が列を為す商店街。そんな雑多なノイズが、日常であるべき寝床を非日常へと連れ去り、ON→OFFへと導く。


何かさ、実利とは関係ないことを考えることが、豊かさだと思うんだよね。表象文化だとかその周辺を舐めることは、その点において快感をもたらすわけです。

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素人の乱」代表 松本哉氏 杉並区議会選出馬時 選挙演説の様子