見知らぬ、天井2

入院4日目。
閉鎖された空間の中でうずくまるのみの生活に辟易していた。
改善の表情を見せない病状。
「辛い」という一言が頭の中で巡っていた。


そんな折、僕の向かいで入院していた78歳の男性が声を掛けてきた。


彼は以前、心臓の手術を行い生死を彷徨ったという。
見せつける彼の胸元には、ミギーに修復されたシンイチのような傷跡。
彼は歯切れよく言う。
「病は気から」
「病気は自分との闘い」


死ぬような病気でもないのに元気を失っている自分を恥じた。
同時に病だけでなく、日常を暮らす上で「気」を大切にしていこうと思った。
明るく前向きに。