ナゴルノカラバフ(アルメニア)@ステパナケルト

ナゴルノカラバフという、アルメニアしか認めてない謎の独立国家へ行ってきた。
冷やかし半分で。

この国家は、生意気にビザが必要。7日間ビザが25ドルで即日発給。何気に高い。しかもビザ取得時に面接まである。
で、行ってきた。

丁度その日は独立記念日らしく、広場でフェスティバルをやっていた。特設ステージではアルメニアのスター軍団がフリーライブをやるのだという。ドミトリーで部屋を一緒にしていたアルメニア人がバックダンサーで、運良くそんな情報をキャッチできたのである。一応独立国家なんだから、自分の国のスターで間に合わせろよと思った。

会場まで微妙に距離があるので、プラプラあるく。すると町中の人から、異様な視線を浴びる。何だか不思議であるが、放っておく。
メインステージの前の広場に着くと、僕の方を見て人々が噂話をしている。人でごった返しているはずの会場に、半径3メートルの中山スペースができる。一組が声をかけてきて、恥ずかしそうに言う。
「一緒に写真を撮ってください」

どうやら人々は僕をスターか何かと勘違いしているらしい。快くOK。何だか気持がいい。
けれども、人々の視線を受け続けるうちに、ボーッと何もしないでスター来襲を待っているその行為が恥ずかしくなった。いてもたってもいられなくなり、その場を外す。

飲み物を買って戻ると、丁度歌が始まりだした。若い男が歌っている。アルメニアの演歌である。そんな演歌歌手は聴衆の心を掴めず、僅か二曲で退散する。
以前僕に視線は集まる。すると何やら後ろから声がかかる。
「妹と話してください。」

嫁探しの旅をしている僕は快諾する。その妹さんは英語学科に通っているらしく、英語が堪能である。良くある、ありふれた会話をしていると、僕の周りに20人くらいの取り巻きができる。で、周りの通訳をしつつ話す。アルメニアのスターを見ろよって思った。

で、結局何事もなく、写真とってとせがまれて、一日は終わったとさ。

スターも居心地が悪いもんだ。