パキスタン3@カリマバード

宿でびっくり仰天な出会いがあった。

グルジアで1時間ほど話した人から、届け物を頼まれた。届け物とは忘れ物の手帳である。
彼はアルメニアで一人の日本人と知り合ったという。しかし一人の日本人はアルメニアの宿で手帳を忘れ、彼が仕方なく手帳を保管した。彼はグルジアへ、忘れた人はイランへ向かうため二度と会うことはない。そこで彼は、偶然忘れた人とほぼ同じルートを行く僕に手帳を託したのであった。

彼のメールアドレスを聞き、2回ほどメールのやり取りを行った。彼の方が僕よりも先に行っていて、追いつくことは難しいと思った。そして、「もし手帳が邪魔だったら捨てちゃってください」という返信を最後に音信途絶えた。

で、世界有数の沈没※地として知られるフンザ(カリマバード)へ僕はパキスタンに着いた時点から一気に目指した。ゲストハウスの宿泊客台帳に名前を記入し、上の方を見てみると見たことのある名前が!
そう、忘れた彼の名前があったのだ。24時間かけたバスの疲れも一気に吹っ飛びテンションがあがる。そして感動の受け渡しへ…

間に合った要因は、やはりここが沈没地だからということ他ならない。彼はイラン〓パキスタンを飛行機で飛んだという。イランをダッシュで周ったとはいえ追いつくはずがない。
しかしここは居心地の良い桃源郷。彼は少なくとも1週間は滞在していると思われる。そこで、一直線に目指した僕と交われたわけだ。

アルメニアで忘れた手帳はグルジアでパスされ、パキスタンで渡す。実に奇妙な響きである。